「攻めの健康があっていい」あえて病人を選ばない生き方に日本人の気概を見る!
80歳からが挑戦のスタート!
「人は150歳まで生きられる」というのは登山家の三浦雄一郎氏の言葉です。三浦氏は最高齢のエベレスト登頂者であり、90歳で4度目のエベレスト登頂に挑む予定というから驚きです。
しかし三浦氏は、高齢化の進む日本では60歳の還暦を2回祝う「大還暦の時代」がやってくると予想しているのです。そうなれば80歳などは、まだまだスタート地点だといいます。
三浦氏が、特別に頑強で病気知らずの健康に恵まれているのでしょうか?いいえそうではありません。三浦氏が63歳の時には狭心症の発作をおこし、医師に余命3年の宣告を受けています。
85歳でヒマラヤをスキー滑降する予定だ!イマジネーションがチャレンジをうむ。
余命宣告を受けて始めたのが、重りをつけて歩くことでした。最後まで諦めないことが大切だと三浦氏はいいます。想像力を持つことで、不可能が可能になるといい、しかもそれを証明してみせました。
日本は高齢化社会となりましたが、病院はいつも高齢者が順番を待っており、介護施設や介護の人員は足りていない状況です。ベッドで寝たきりでは寿命が延びた意味はない。「攻めの健康」があってもいいのではないか?というのが、三浦氏の持論です。
実際には高齢者である三浦氏には、多くの病が押し寄せています。狭心症、不整脈、糖尿病、高血圧、大腿骨と骨盤を骨折。風邪ですら高齢者には堪えます。それでも、だからこそ攻めの健康にチャレンジしているのです。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20150105/275812/?P=3&prvArw
心は身体に作用する。
三浦氏の言うように、イマジネーション、心の想いというものが、健康を左右するものなのでしょうか?それについては、田園都市厚生病院院長の春山茂雄氏の著作「脳内革命」がヒントになります。
春山氏はその著書で「脳が若ければ125歳まで生きられる」と主張します。医師の発言だけに信頼性があります。春山氏の病院は東洋医学の理念を取り入れた、「病気にさせないのが本当の医学」という理念で作られました。
人間の脳内には脳内モルヒネというホルモンが分泌されます。以前から知られていたホルモンですが鎮痛作用以外に有益性がないとして、長い間かえりみられませんでした。
脳内モルヒネは免疫力をたかめ、若さと活力の源。
ところが、これが心と身体に密接に関係していることが、最近の研究で明らかになりました。人が怒ったりストレスを感じると、脳からノルアドレナリンという物質がでます。これが強い毒性をもっています。この毒は自然界の中では毒蛇に次ぐ猛毒で、老化を促進し、病気の原因になります。
それに対して、リラックスしたり、良い気分の時にはβーエンドルフィンというホルモンが分泌されます。このホルモンは脳内モルヒネの中でも最も効力があり、免疫力を高めてくれます。脳内モルヒネは脳細胞の若さを保ち、やる気や創造力を発揮します。
チャレンジをするほど脳内モルヒネが分泌される!
脳内モルヒネが、身体の健康を促進するならば、心地よいことばかりであれば、脳内モルヒネが、分泌されるのでしょうか?
不思議なことに人間の脳は、自己実現の欲求にチャレンジする時に、もっとも脳内モルヒネを分泌することが、わかっています。自己実現欲求とは他者の承認を必要としない、自分のうちの最高の自分になるということです。
とてもそんなに偉い人にはなれないと思うでしょうか?ところがこれは、より高いレベルに向かってチャレンジするだけで、作用します。高級脳といわれる前頭連合野が刺激されるのが、このより高い目標に向かってチャレンジしている時なのです。
スパルタ式デイサービスで脱介護へ
2008年設立されたユーコネクトが運営するリハビリ特化型デイサービス「ユーフィト」は、まさに攻めの健康を実践しています。社長である佐藤賢吾氏は「スパルタ式の筋トレが売り。年寄り扱いした優しいことは一切しない」と話しています。
この施設は入浴施設もなければ、食事の介護もない。その代わり、個人にあわせて筋力トレーニングメニューを作り、まるでスポーツジムのようなマシンを揃えているのです。要介護認定1~2の高齢者が、意欲的にトレーニングに取り組み、施設を卒業していきます。中には、仕事に復帰した高齢者もいて、施設でも仕事を作り出し、紹介もしています。
この取り組みは、高齢者には自らの健康や人生へのチャレンジとなり、まさに脳内モルヒネが活躍する舞台となっている事でしょう。
チャレンジする気概を持つのは自分の選択次第。
例え病気になっても、それに立ち向かい勝利を収めている人々がいます。その事を面白くユーモアを交えながら語るのは、横尾忠則氏です。その著書「病の神様-横尾忠則超・病気克服術」では、氏が経験した様々な病について述べています。
「リラックスは大事だけれども、少しでも気を抜くと病が待ち伏せしているから、生きるためには緊張も必要」だとあっけらかんと語るかとおもえば、「もうとっくに治っている病気なのに、頭が治っていないと決めつけていただけだった」とあっさりと言い放ってしまいます。
御父君も豪傑で、危篤状態の最中に「食べたら死ぬ」という医師の言葉を退けて、食べたかった「ぼた餅」を平らげて、危篤状態で死ぬ筈であったものが、10年も生きてしまいます。横尾氏は「命と交換するくらいの覚悟のようなものがあれば、病気も治ってしまうのかもしれない。」と語っています。
気概を持って生きよう!
「日本人の気概」を著した中條高徳氏(元アサヒビール会長)もまた実に気概のある人物です。著書によると心筋梗塞に倒れながらも、遺書を認めて、かねて約束している講演を敢行したのです。このとき齢83歳にして東京より富山まで赴いています。
確かに日本人の気概というものが、世界の人々を、東洋のちっぽけな島国の、それこそ黄色い猿と揶揄された民族を認めさせた基となっているのでしょう。
中條氏はその著書で、どのような困難にあっても、必ずささやかな光は指すとして、曹洞宗の創始者・道元禅師のこの言葉を引いています。
「切に思うことは必ず遂ぐるなり、切に思う心深ければ必ず方便(手段)も出てくるべし」諦めずに常に挑戦し続けてきた中條氏らしい選択です。
病気になることはあっても、病人になる必要はない!
高齢になれば、身体のどこかにガタがくるのは、当たり前です。逆の高齢になりながら若い時と同じように、全くの健康体で、どこにも悪いところが無いという人の方が、少数派ではないでしょうか。
しかし病気になったからといって、病人として生きていかなければならない訳では無いようです。実際にある種の人々は、まるで病人であることを、認めていないかのように、病気になってから、益々大きな目標を定めて、朗らかに生きています。
反面病気に心まで囚われて、すっかり心も病に侵されてしまったかのような人もいます。その差というのは、病気になった時に決まるわけではないようです。
気概をもって生きてみよう!
「気概」という言葉が最近は、よく語られるようになっています。就職活動の場でも、求める人材は「日本を支える気概を持つ人」(JR東海)であったり、「自分が就職先を選ぶ気概が必要」(三井住友銀行)であったりします。
気概という言葉には、誇りと使命感が感じられます。そして自分の人生の決定権は自分が持つのだ!という強い決意もそこにはあります。
病気にはなっても、病人にはなるまいと決めることが、病気になったその先の人生を変えていくようです。そうであれば、今から気概をもって自分の心や身体をコントロールすることから始めてみるのも良いかもしれません。
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