【World U スタッフ ブログ】
「マインドフルネス」心の若さが体をよみがえらせる

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 「いつまでも若々しくありたい」「健康でいたい」は誰しも願うことだろう。しかし、その意思とは反して、人は「老い」には逆らえないということをどこかで受け入れている。それは生きる中で社会の「常識」を学んだ結果でもあると感じる。
 私たちはいかに「年だから」「病気だから」というレッテルや常識に縛られているか。それが分かった時、どれだけの制限を自ら作り出す人生を私たちは選択して生きているのかが同時に分かるだろう。
 そういった制限から自由になり、自分自身の人生を選択する方法について、エレン・ランガーの「ハーバード大学教授が語る「老い」に負けない生き方」を通して学ぶことが出来る。

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自立した生活が人生を豊かにする

その人生の自由な選択に必要となる「マインドフル」について次のような実験が行われた。ここでいうマインドフルとは、周りの環境や自分自身に対して敏感になり、たくさん「気づき」を経験する状態のことである。
老人ホームで行われた実験で、1つのグループにはこれまで通りの生活を、もう1グループには様々なシーンで自ら選択できる生活を送ってもらう。1年半後、自分で選択し決めるグループはそうでないグループに比べてより元気があり、活動的で、頭の働きもしっかりしていることが分かった。さらに、驚くべきは自分で決めるグループの死亡者はいつも通りのグループの半数にも満たなかったそうだ。
物事を自分で決めるようにすると、周りの環境や自分自身に対して敏感になる為、たくさん「気づき」を経験し、「マインドフル」な状態になるという。

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マインドフルで心を整え、満たす

「気づき」を得るマインドフルな状態になったから、今回の被験者の方々は若返ったのか。この疑問から、心と体のつながりについて考察を深めていきたい。その前に改めてこの「マインドフル」について科学的に証明されているものや言葉の意味を再定義することにする。
まず、このマインド(=心)フル(=満たされている)は直訳で心を満たす。今の行動に五感を集中させることで心を整える考え方だそうだ。

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心と体をコントロールする実践法

現在では、ビジネスの場でも「マインドフルネス瞑想」という手法として、従業員の幸福感や満足感の向上・モチベーションアップ・生産性向上といった面で活用されている。さらに、アメリカでの臨床試験ではうつ病や不安障害(パニック障害や心的外傷ストレス障害)などに効果があるという結果が出ており、医療の現場でも多く広まっている。

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ゆっくりと自分の体に耳を傾ける

エレン・ランガーの「ハーバード大学教授が語る「老い」に負けない生き方」でも、このマインドフルは見た目や運動能力だけではなく、脈拍や血圧といった生理現象までもコントロールできるということが紹介されている。
それは「バイオフィードバック」と呼ばれる手法でイエール大学心理学教授のニール・ミラーが提唱した。自分の血圧や脈拍の数値の変化を知ることでコントロールできるようになる、というものだ。この実験では機械を使用して脈拍や血圧を数値として目に見えるようにしていたが、これを自分自身の体の変化に注意を払うことでも変化に気付くことは出来る。つまり、体に注意を払い、マインドフルな状態をつくることは自分の心だけではなく体もコントロールできるようになることを明らかにしている。

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瞑想で脳から健康になる

血圧や脈拍をコントロールできるということは、それらを司る自律神経をコントロールできるということになる。それでは、具体的に自律神経をコントロールするとはどういった効用があるのだろうか。
自律神経とは「交感神経」というイライラやストレスを感じている興奮状態にある時に活発になる神経と、「副交感神経」と呼ばれる免疫力を高め、リラックスさせる効果がある神経の二つに分かれる。
瞑想はこの副交感神経を高める効果があると言われており、超越瞑想の研究結果では、ストレスを感じた時に分泌されるコルチゾールというホルモンが瞑想時に大幅に減少することが発表されているそうだ。

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自己管理とマインドコントロールが必要とされている社会

現在では、この瞑想に型を与えたヨガが広まりつつある。ヨガの深くゆっくりとした複式呼吸は副交感神経を高め、リラックス効果が期待できるという。この効果は企業においても注目を集め、アップルでは社員向けのヨガクラスを導入したという。
 現代において、自律神経失調症やうつが社会で問題となっているが、人々は疲弊した心に、個人も企業も向き合わなければならない時がきたように思う。本来医学ではコントロールできないとされていた自律神経を「マインドフル」によってコントロールできるということは、自分の健康は医療に頼るのではなく、心を使いコントロール可能であることを指す。それは、現代において希望になりうるのではないだろうか。

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限界をつくりだすのも超えられるのも「私自身」

エレン・ランガーの「ハーバード大学教授が語る「老い」に負けない生き方」では年齢や病気といった生理的な限界は、逆らえない運命でないと提言されている。私たちの限界を決めているのは、肉体そのものではなく「もう年だから」「病気だから」という「思いこみ」の心であるという。
マクスウェル・マルツの著書である「新しい自分をつくる本」でも、この思い込みからなる自己イメージについて「自己イメージは私たちの人格を作っている基礎であり、それは年齢やタイミングは問題なくいくらでも変えられるものだ。」と述べられている。  
心理学者や精神科医によれば、自分というのは客観的に評価するのがもっとも難しい存在だそうだ。それなのに人は自身の思いこみで自身を評価し、イメージをつくりあげてしまうという。
私たちは、この思い込みや自己イメージによって自身の限界を自身でつくりだしていたのだ。それでは、この「思い込み」や「自己イメージ」を改善し、心が若々しく健康でいれば体も若くて健康でいられるのだろうか。

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思い込みを捨てることがチャレンジへの一歩

心と体の関係についてはここまで述べてきていたが、先述の思い込みによる肉体への影響力については「カウンタークロックワイズ」という研究で実証されている。
この研究は老人が環境・行動すべてを20年前に戻ったつもりで生活し、心が若返る事で体も若返るのかを検証した研究である。ここでは身体能力や知能も若返ったという結果が得られている。
さらに、医療においてもこの「思い込み」を利用した治療として偽薬が活用されている。価格・効果の高い薬だと伝え、実際は偽薬を処方されていても症状が良くなったという症例がうつ病などで多く見られているそうだ。これは人が偽薬を高価な薬だと、その効果を信じた心が体に変化をもたらした例である。
このことから、思い込みやマイナスな自己イメージを捨てて自分の心をコントロールすることで、体もコントロールすることが出来ると分かった。

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人は常識やレッテルに影響されずにはいられない

とはいえ、人は様々な「思いこみ」を抱えている。それは、社会生活を送る中から「レッテル」や「常識」などの影響を受けている事が考えられる。
このレッテルは「言葉」によって他人だけではなく、自分自身でも貼ることが出来る。レッテルを貼ってしまうとその事がきっかけとなり、そのレッテルにふさわしいステレオタイプに近付くよう、人は行動する。
例えば、周囲や自分自身で自分を老人だとレッテルを貼ると、「自分はもう年だ」と思い込み、老人らしく振る舞おうとしてしまうのだ。
これは「無意識」が働いていると考えられる。現在、「無意識」の研究においては、それが単なる「意識」ではなく脳と神経系からなる「自動目的達成装置」があると言われている。
私たちの中には、目的を達成するようにプログラムされた装置があるのだ。他人から貼られたレッテルは「老人らしくいなければならない」という思い込みが目的化し、無意識のうちに目的を達成するように行動してしまうのだ。
私たちの思いこみや自己イメージといった思考は行動を支配し、結果となって現実化する。では、思い込みを捨てるにはどうすれば良いのだろうか。

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思考は現実化する

ウィル・ボウエンの著書で 「もう不満は言わない」では、言葉によって思考を支配し、その思考によってこの世界を作り出しているのは私たちであり、口にする言葉を制御することが出来れば、欲することを引き寄せることができると述べている。
 私自身もこの「言葉」を選ぶことにおいては、普段意識をしている。それは私自身が子供時代に人の悪口やひがみなどを口にした時、祖父から「言霊といってね、口に出した事は全て、本当にそうなるから。悪い言葉はやめなさい。」とよく言い聞かせられていた経験からなる。それはただの子供を叱るセリフだったのかもしれないが、現在「言葉」を選ぶ行動に繋がっている。
この経験から「言霊」という言葉が日本には古くからあるが、私はそれをどこかで信じている。一般的には「言霊」とは言葉に宿ると信じられた霊的な力のことであり、言葉表現が現実化すると信じられている。 この思考は現実化するというのは、古くから日本で言い伝えられている「言霊」に近い考え方があるのではないだろうか。
私は、言葉は相手にだけではなく、自分自身にも影響を与えるものだと思っている。自分の使った言葉通りに自分の心も体も変化するのだ。
例えば、疲れている時に「疲れた」と言うと余計疲れた気分にならないだろうか。私はそんな時には「もうちょっと頑張ろう」「よし良くやった」と、次にどんな気持ちでいたいかを考えて、言葉を使うようにしている。すると不思議と元気が湧いてくるのだ。これは他人に対しても同じである。
言葉を賢く選ぶことも自分の人生をコントロールするための一歩になるのではないだろうか。

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自分にとってよい影響を自分で選んで生きる

私たちはこういった周囲から常に受けている影響をコントロールしなければならない。そうでなければ、自分自身の人生を生きることが難しくなるかもしれない。しかし「マインドフル」によって自身の心と体をコントロールすることで自分の人生を生き、人生を自由に選択することは可能である。その為には、日々の生活の当たり前や常識をただ受け入れるのではなく、そこに注意を向け些細なことでも自分の思いこみに気づくことがまず第一歩として大切になるのではないだろうか。

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マインドフルは自由への第一歩

マインドフルはただの健康法ではない。生き方にもつながる考え方であり、実践法である。このマインドフルの実践を通して心を鍛えることで、人が自由を手に入れるのも近いだろう。

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