所作の美しさは静寂の時間と存在感にある。エッセンシャル思考と禅に共通する余白こそが気づきと成功の原点だった!
所作の美しい人には美しい佇まいがある
ニュートンの万有引力の法則が、リンゴが木から落ちるのを見て気づいた、という話はあまりにも有名ですが、その発見の為に2年間も研究室に籠り思考を続けていたことはあまり知られていないようです。
或いは多忙を極めるビル・ゲイツが定期的に1週間ほどを思索の時間として、考える時間と読書に費やしてきたことも、彼の名声ほどには知られていないでしょう。
エッセンシャル思考という考え方は、「より少なく、しかしより良く」という考え方が基本にあります。そのために必要のないノイズを捨て去るという作業を推し進めます。そうしてより深く考えるための余白の時間を紡ぎだそうとします。
静謐な時間を得る人はノイズに振り回されない
バレリーナたちは、あの完璧ともいえる美しい舞を踊るために、考えられないほどの練習をこなしています。それはより少なくというエッセンシャル思考とは、真逆のように感じるかもしれません。
しかしバレリーナたちは、その圧倒的な練習量で、余分な動き、無駄を徹底的にそぎ落としているのです。いわゆるノイズをそぎ落としていく作業が練習である訳です。
このような無駄を嫌うという考え方は禅に共通する考え方です。禅では日常におこる多くのノイズから距離をとることで、心の静謐を得て、究極的には悟りを得ようとします。この悟りは世俗的なものではないかもしれませんが、メカニズムは経済界や学問の世界、政治の世界での、問題解決のためのひらめきを得るところに通じるものがあるように思います。
所作には心があらわれる
禅から学ぶもののひとつに美しい所作があります。ワンランク上の人の立ち居振る舞いには無駄がありません。ただ立っているだけで存在感を感じさせてしまいます。この所作を整えるためには、心を整えなければなりません。なぜならその人の姿勢・呼吸・動作・口ぐせなどは、その心のありようを忠実に表してしまうからです。少しばかり気取ってみたところで、見る人がみれば一目瞭然でしょう。
それでは所作とは一体何でしょうか。どうして所作を磨くことが成功の原点だといえるのでしょうか。その答えも禅にあります。禅では所作というのが縁を結ぶものであり、自分を律するものであり、生きる意味を知るためのものである、としています。
所作を整えることは究極の無駄を省くことだというのです。これはエッセンシャル思考のノイズを捨て去り、必要なものを選択して不必要なものを見極めることによく似ています。
エッセンシャル思考は明確に境界を決め余分を排除する
ひとつのことを丁寧に行うことから美しい所作はうまれます。挨拶するならば相手を見て丁寧にすることです。禅では先ず相手の顔をみて挨拶し、その後に礼をすると教えています。
所作の美しさは、呼吸を整えることから始まります。良い姿勢を取っている時の呼吸は、腹式呼吸になります。胸で浅い呼吸をしているならば、姿勢は乱れている筈です。
阿吽の呼吸といいますが2人が対峙している時、呼吸が整っている方が勝つといいます。それは呼吸が整っていない人は相手の呼吸に呑まれてしまうからだそうです。
服装や足元なども大切です。他人がそれを見てあなたの心を推し量るからです。美しく調和のとれた服装は、あなたの心の装いとなります。
早起きをすればよい縁がうまれる
禅を修行する人は、朝の時間をとても大切にしています。その日の因が朝から始まるからです。朝、窓を開けて軽く掃除をし、外を散歩する。そしてお腹から声をだして挨拶をする。そんなシンプルな行動が一日のよい縁を結んでくれるのだそうです。
そして禅では心の静寂を手にいれるための修行を行います。心の静寂のためには、今やるべきことに目を向け、集中することで他のノイズを遠ざけるようにします。
エッセンシャル思考でも今やるべきことに集中します。なぜなら過去や未来に手を触れるなんてことはできないからです。できないことに力を注ぐのは全く無駄だからです。
心の静寂を得る方法はほかにも沢山あります。先ほどの早寝早起きもそうですが、食事や睡眠をきちんと取ることや、喋り過ぎないこと。間をおくこと、丁寧な動作を心がけることなどです。
習慣を大切にする
エッセンシャル思考ではやるべきことを習慣にすることを薦めています。習慣というのは無意識レベルで行うようになることです。
所作も同じで、美しい所作が習慣になれば、あの人は折り目正しく美しい方だと評価されるでしょう。しかし習慣になるまで自然に行えるようになるには、意識をして所作を身に付けなければなりません。
美しい所作のポイントは動作をゆっくりと行うことにあります。能の美しさは無駄が一切ないゆっくりとした動作にあります。所作をゆっくりすると、落ち着いて行動できます。動く前に一呼吸間をおくだけでも、所作は美しくなります。
この一呼吸の時に考えて欲しいのが、それは本当に必要か?との問いかけです。私たちは無駄なことに執着してしまうことがあるので、常にそれを問いかけて行動すると、無駄を省けるようになります。
物を丁寧に扱うと美しく見えます。食事の時でも食器を丁寧に扱うと美しく食べることができるといいます。このようなことが習慣になるまで意識して続けると美しい所作が身に付くでしょう。
少しずつ前に進もう
エッセンシャル思考では、今にフォーカスするといいましたが、決して未来を見ていないわけではありません。エッセンシャル思考というのは、無理をしないのです。前進していきますが、その前進は少しずつでよいのです。少しずつ前に進めば、気が付いた時にはきっと随分遠くまで来たなぁと思えるでしょう。
禅でも少しずつ続けることを奨励していますが、その中でも感謝すること、そして布施が、シンプルに生きるための良い手助けになると教えてくれます。
布施というのは、他人のために何かを手放すことです。お掃除でもいいし他人にプレゼントするのも良いでしょう。自分だけの損得勘定に囚われていると、静謐な心から遠ざかります。他人のために何かできるようになること、感謝すること、そこに良い縁が結ばれるといいます。
本質をつかみとるには厳しい選抜が必要だ
本質を理解して目標を明確にしてくれるリーダーがいるチームは、その実力以上の力を発揮するようです。そのためにもリーダーは、厳しい目で見極めなければなりません。ひとつを選ぶことは他の全てを捨てることです。だからこそほんの少しでも違うと思えば選ぶわけには行かないのです。
禅では余計なことをそぎ落として、シンプルに生きることを教えています。所作も同様です。シンプルであるためには、こそぎ落とす作業を徹底しないといけません。そこで禅では自分で考えることを言い続けます。禅問答とはそういうことです。自分の言葉で本質を見抜くまで何度でも考え抜くのです。
成功するまでシンプルに考え抜く
エッセンシャル思考も禅もそしてその禅から発祥する所作も、すべてはシンプルを突き詰めることにありました。とことん考え抜いてシンプルにたどり着く。その中に成功法則も見出していけるのでしょう。
シンプルを極めるために、そして人格を磨くために美しい所作を心がけてみてはいかがでしょうか。美しい所作とは品格であり、人格の大きさを体現することのようです。そうであれば日ごろの所作を美しく心がけることで、シンプルに本質を見極める力を鍛えることができるかもしれませんね。
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