- 2017-3-30
- コラム
「After You.」から生まれるつながり。世界のCEOが学んだハーバード・ビジネス・スクールの教え! ハーバードから学んだことが世界の常識となる
ハーバード大学でMBAを取得したメンバーが、世界のリーダーとして活躍していることは、卒業生の顔ぶれを見れば一目瞭然でしょう。Africa.comのCEOテレサ・クラーク女史、G・W・ブッシュ大統領政権の時に米国財務長官だったヘンリー・ポールソン氏、ボーダフォンCEOのヴィットリオ・コラオ氏、元ニューヨーク証券取引所CEOジョン・セイン氏などそうそうたる顔ぶれがならびます。
ハーバード・ビジネス・スクールには、アメリカやヨーロッパのみならず、アジア、アフリカ、中南米、中東などからも有能な人材が集ってきます。つまりハーバード大学ビジネススクールは、世界のリーダーたちを育てて来ましたし、またこれからも育てていくことになるでしょう。
世界のビジネスパーソンは基本に徹している
この世界の指導者やトップエリートたちが大事にしていることが、実は日本のビジネスパーソンたちが大切にしてきたことと共通する、と指摘したのは自身もハーバード・ビジネス・スクールで学び、現シーネクスト・パートナーズCEOの戸塚隆将氏です。それではハーバード・ビジネス・スクール出身者が、学んだものとは何だったのでしょうか。
それは基本に徹することでした。基本を大事にすることは、真っ先に新入社員が教わることでしょう。しかし世界のキーパーソンは、この基本を徹底的に貫いて成功を収めているのだと戸塚隆将氏はいいます。
ハーバードのメンバーは利害よりも、人とのつながりが大切だと信じていて、人とのつながりを何よりも優先させいるようです。ですから必ず名前を覚えようとします。ハーバード大学の教授は、毎年何千人という学生を卒業させるにも関わらず、全員の顔と名前を憶えているといいます。戸塚氏はハーバード大学ビジネススクールを卒業して7年後に、教授と再会する機会があったのですが、教授は戸塚氏の名前やその時の状況を覚えていて、ファーストネームで語りかけたそうです。
人とのつながりが何よりも優先される
戸塚隆将氏によると人間関係の基本は、先ず名前を覚えることから始まります。名前を憶えていれば相手は好意を感じ評価を高めてくれるでしょう。名前を覚えるコツは、声に出すことです。初対面でも最低3回は、相手の名前を呼ぶと覚えてもらいやすいようです。
もうひとつのコツは、必ず前回と違ったシーンを演出することです。いつも同じメンバーで、同じ場所で会っていても、相手に印象は残りません。ビジネスシーンで会ったら、次はカジュアルな出会いをする。大勢で会ったなら、次は2人で会う。オフィシャルで会ったら、次は自宅で家族と会う。このような経験は仲間意識を高め、親近感を増す効果があると戸塚隆将氏は主張しています。そういえばTVのニュース映像などを見ると、アメリカの大統領などは、各国首脳との距離を縮めるのに、この手法を利用しているようにみえますね。
パーティや飲み会はフィードバックのチャンス
ハーバード・ビジネス・スクールの生徒たちは、膨大な量の課題を抱えて食事する時間もない程だそうです。しかし彼らは睡眠時間を削ってでも、パーティに参加しようとします。それは何よりも人とのつながりに投資しているからだと言うのです。
更にそんなハードな生活の中でもハーバード大学では、「アフターユー」の精神が根付いているのだといいます。
「アフターユー」は日本でいえば「お先にどうぞ」の気持ちです。電車やエレベータ―の乗り降り、扉の開閉時や行列に並ぶ時、ハーバード大学の学生は「アフターユー」の精神を発揮して譲り合っているそうです。
お先にどうぞ!ゆとりを持って譲り合う
あの日本での大きな地震や津波などの自然災害の時、人々は我先に水や食料を奪い合うようなことはありませんでした。少しでも幼い子供や年寄に与えようとお互いに譲り合って、美しい心で支え合っていましたね。
日本でも「お先にどうぞ」の精神は健在です。ゆったりと「お先にどうぞ」と譲って下さる方には、ゆとりがあって所作も美しく感じてしまいます。「お先にどうぞ」の譲り合いの心が、ハーバードや世界のトップにとっての基本精神だと思うと、元来の日本の精神のすばらしさを実感します。
自己管理は基本
ハーバード・ビジネス・スクールでは無遅刻無欠席が基本だと言います。世界トップクラスのビジネスパーソンが遅刻をした、又は病気になったとしたら、その地位は直ぐに別の誰かのものになるでしょう。2016年12月に来日したプーチン大統領が、遅刻をしたニュースが世界に報道されましたが、首脳の遅刻というのは、それだけで大きなニュースになるのでしょうね。
ハーバード大学の基本は当たり前だと考えますか?実際にハーバード・ビジネス・スクールの欠席者は2年間を通じてほとんど0だそうです。日本の大学と比べると驚くべきことのように思えます。ジムやランニングで身体を鍛え、健康管理をすることはビジネスパーソンにとって守るべき基本です。その基本を貫くからこそ、成功者であり続けることが出来るのでしょう。
常に成長しようと努力する
「ありがとう」と素直に感謝できる人には、心に余裕があります。つい「すみません」で済ませてしまっていないでしょうか?「すみません」は、感謝の言葉ではなく、謝罪の言葉としては、あまりにもお粗末だと言うのは、戸塚隆将氏の弁です。
「すみません」と言いたくなった時には、ほんの少し心に余裕を持って、考えてみて下さい。相応しい言葉は「ありがとう」でしょうか?それとも「申し訳ございません」ですか。心に余裕があれば、言葉を端折ってしまうこともないでしょう。素直に「ありがとう」を言う事も、ハーバード・ビジネス・スクールの基本だと言います。
素直に感謝し、素直に謝罪を表明できるのは、自信の表明でもあります。「ありがとう」「申し訳ございません」が言えない人が、成功者になることは難しいでしょう。
時間をコントロールする
朝一番に猛ダッシュをかけるのが、出来るビジネスマンの秘訣だと戸塚隆将氏は断言しています。朝の時間の使い方で仕事の効率は極端に変わるようです。帰社する前に資料をプロジェクトごとに整理整頓し、メールの確認やTo Doも済ませてしまうと、時間を自分でコントロールできるようになるそうです。
朝一番は来客もなく、最も集中して効率よく仕事ができる時間帯です。出社するなり最も重要な案件やプロジェクトのアイデアをまとめ、効率が落ちる午後にメールの返信やタスク整理などの作業をこなすと、時間に追われずに仕事ができます。朝の1時間は午後の3時間に相当すると戸塚隆将氏は訴えています。
これは月曜日の午前中の仕事ぶりを見ると、もっとよくわかるといいます。大抵の人が休み明けの朝は、エンジンがかからずにぼんやりと仕事をしています。月曜日の朝から猛ダッシュしている人は、日曜日の夜にすでに仕事への切り替えを済ませています。一週間の仕事の予定と、月曜日に朝一番でやる仕事についてイメージしておき、起床時間も月曜日はいつもよ15分早く起きて準備を整えるのが、時間をコントロールするコツとなるようです。
上司への報連相は3分以内に済ませる。
さらに報連相についても重要な基本が語られています。報連相のコツは先ず仕事を頼まれたら、その場でイメージを共有しておくこと。ここでお互いの理解にそごがあれば、無駄な労力がかかってしまいます。具体的に「前回の提案書のような形で良いでしょうか」とか「○○でよろしいでしょうか」と確認します。
そして直ぐに5分間だけ作業を開始してみます。作業に取り掛かると理解していないことが見えてきますし、5分以内なら初歩的な質問でも評価を下げることはありません。これが翌日になれば、「今頃何を!」となってしまいます。5分間だけすぐにやる!これが仕事を受けるコツなのだそうです。
翌朝には、例え7割しかできていなくても、進捗状況を報告しておきます。この際に必要なのは、割り込み力です。要件はコンパクトにまとめて、結論を先に3分以内に報告します。上司の貴重な時間に割り込むのですから、コンパクトに自信を持って割り込むべきで、上司はそれを待っているようです。頼まれた仕事を上司から質問されるのは、最もダメなことで、常に報連相の準備をして、いつでも素早く割り込むようにするのが、上司の求める報連相だといいます。
常に自分で考える
ハーバード・ビジネス・スクールでは、自分で考える力を求められたと戸塚隆将氏は述懐しています。本を読んでも、講演を聞いても、必ず自分の考えを求められるのです。読書したらその3倍考えて自分なりの答えを出さないといけません。脳に汗をかくことが、ビジネスパーソンに求められるスキルなのです。「だから何」「それは何故」正解のない答えを考える癖をつけることで、良いアイデアやひらめきが生まれるのだと言うのです。
考えろ!考えろ!考えろ!これがハーバードの教えだそうです。そして答えには論理的な根拠が必要です。考える力・論理力・コンテンツ力、この3つの力を鍛えるために紙に書いてポイントを整理するクセをつけていきます。ポイントを3つにまとめるクセをつけると論理力・時間構成力・コミュニケーションスキルが上達するのだそうです。
考えて、まとめて、整理する。基本を大切にしながら毎日繰り返すことで、実績を積み上げていくことができるといいます。ハーバードの教えとは、基本を貫くことでした。これなら私たちも参考にすることができますね。
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