【日本の社員一人一人が幸せになる労働生産性とは】

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「効率的な仕事ぶり、充実した私生活。キャリアウーマンです!」
これは、ブルゾンちえみさんのお笑いネタの有名なフレーズですね。

しかし、効率を表す指標でもある日本の1人当たりの生産性(労働生産性)は、残念ながらとても低いのが現状です。

労働生産性の国際比較2016年版(日本生産性本部)によると、日本の労働生産性は年間7万4315ドル(約832万円)で、OECD加盟国34ヵ国中第22位。主要先進7ヵ国では1994年から21年連続で最下位です。


労働生産性とは、働く人がどれだけ効率的に成果を生み出したかを定量的に数値化したものです。

能力向上や効率改善に向けた努力、経営効率の改善などによって向上します。労働生産性の向上は、経済的な豊かさをもたらす要因とみなされています。

トヨタ自動車のカイゼンのように、日本の製造業、工場はいかに生産性を上げるかを追求してきました。生産現場における生産性は高く推移していますが、非製造のサービス業や、ホワイトカラーと呼ばれる営業や間接部門では、生産性が低いのが現状です。

ready for a meeting
日経BP編集長とパネルディスカッションをさせていただいたときに、かつての日本の高度成長を牽引してきた製造業は世界的にみて90点。比べて日本の非製造業は世界的に見て30点。90点を120点にするのは無理があるが、まだ手つかずである。

ホワイトカラーの生産性が30点であるのを60点や70点にするのは大いに可能性がある。これが日本の活性化につながると意気投合したのを思い出します。

それでは、どうしたら労働生産性をあげることができるでしょう。残業してたくさん仕事をすればいいわけではありません。とにかくスピードで、量をこなしたらいいわけでもありません。処方箋はあるのでしょうか。

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まず、生産性を下げないこと、ロスを無くすことです。

政府が一億総活躍社会と提唱している中、現実は一億総疲労社会(諸富祥彦・明治大学教授)とも言われています。

疲れと寂しさを多くの人がもっており、そこから他人に文句をつけて解消することになったり、あるいは、食べていくために働く、長時間働くことでカバーして、それが忙しさの理由になっています。

Businessman searching for documents in metal file cabinets.
時間の無駄が見えないことも生産性に影響しているでしょう。

ビジネスマンが書類などの探し物に1年間で費やす時間はいったいどれくらいだと思いますか? ウォール・ストリート・ジャーナルによると何と6週間です。 1年のうち、1ヶ月半は探し物をしている時間になるのです。

stuck at the office
「ナレムコの法則」という言葉があります。

「企業で働く会社員が見る文書の99%は1年以内に作成されたものであり、残りの1%はそれ以前に作られた書類であるというもの」ということです。必要な書類だけが、周りに整頓された状態で置かれていて、すぐに活用できることで1年のうちの1ヶ月半、13%の生産性をあげることなります。

そして、心や体の病が影響を及ぼしている場合もあり、うつ病で年150万円、頭痛で年60万円が失われ、アメリカ全体では年15兆円の損失があるとも言われています。

Close up of a businessman exercising Yoga at sunset.
マインドフルネスという考えが、近年においてビジネス界に浸透しつつあります。

大事なのは、集中とリラックス。
マインドフルネスは瞑想を軸として、自分自身や他者の情動を認識し、感情をコントロールしながら適切に行動する能力を高めていきます。

食べたあとにも休息を取ること。15分間の仮眠、一人がいいひともいるし、ワイワイが休息になる人もいます。

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精一杯仕事をし、そしてすっかり回復し、翌日には最高のコンディションで迎える。アスリート、トッププロはいい状態をつくることに重きを置きますが、同じプロとして給料をもらう私たちにとっても大事なことかもしれません。

一人ひとりが健康で元気に働くことがとても大事な時代です。

社員一人ひとりの健康が、会社の目に見えない大きな価値へと繋がります。もし私達が心身ともにより健康的な社員をサポートする環境を提供できたらより健全な世界、そしてより健全な会社を創り出すことができるでしょう。

Commuting scenery in Japan (businessman)
政府の「働き方改革」は具体策がなく、目指すべき方向性が明確でないため働き方全般の見直しにつながるかは微妙です。

日本経済新聞社と日経リサーチの2016年12月に実施したアンケートでは、企業側が、取り組むべき優先課題は「長時間労働の是正」で回答率が全体の73.1%。他の課題は認識されておらず、社員との思いにギャップがあります。

改革が本来めざすべきは、働きやすさを高めて、成果を出す態勢を整えること。アンケートからは改革への期待度の低さしかみえてきません。

エレベータホール前
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山崎文栄堂では、新しい幸せになる働き方として、集中とリラックスでイノベーションを実現するオフィス改革をしました。

整理整頓された物と情報のスペースの中で、朝は立ってスピーディーに仕事をします。健康のためにデンマークでは国指定になっている昇降式デスクを実験的に活用します。

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ミーティングや商談も、相手やシチュエーションに応じて使い分けます。一人になれるスペースがあります。仲間とリラックスする空間があります。自然をイメージさせる人工芝と杉とテントでクリエイティブな発想を生み出します。

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日立製作所矢野氏のデータの見えざる手によると、オフィスの生産性アップの鍵は「会話」コミュニケーションにあるといいます。

社員の身体運動の連鎖による活発度上昇により、社員の幸せ感の向上が、高い生産性、高い収益力を産むことになるのです。

生産性を上げることは、価値あるものを生みだすことです。下げないこと、上げることのどちらも大事です。

Copenhagen Danish flag flying over Nyhavn colourful harbour
デンマークという国は国連調査による「幸福度世界ランキング」で2013年、2014年、そして2016年にも世界1位に輝いています。日本は残念ながら51位です。

評価のポイントは「1人当たりGDP」「社会福祉」「健康寿命」「人生選択の自由度」「寛大さ」「汚職の少なさ」などです。

福祉国家として有名な北欧の国、デンマーク。消費税率25%、国民負担率約70%(日本は約40%)と、かなりの高納税国です。その一方で、医療費無料、出産費無料、教育費無料、充実した高齢者サービスなど、社会福祉がとても充実しています。

まさに、「ゆりかごから墓場まで」を実現している国です。

calculating finances
日本だと「この試験に受からなかったらどうしよう」「あの会社に入れなかったら、入ってもクビになったらどうしよう」「将来のために貯金をしておこう」と考える時間は少なくないでしょう。

デンマークの今日は明日のためではなく、今日のためにある国なのです。

国土や人口規模では小さなデンマークですが、1人当たりで見ると、豊かな経済大国だと言えます。

デンマークは福祉大国としても有名ですが、充実した福祉を運営するためには、その財源を確保するために、経済が強く、国民が豊かである必要があります。

デンマークは豊かな経済をいかにして実現しているのでしょうか。

Sunny summer day in the street of Copenhagen. Christiansborg Palace on background.
デンマーク経済は、世界で最も自由な市場経済の一つです。米国の経済誌フォーブスの2015年の調査によると、世界で最もビジネスがしやすい国は デンマークでした。日本は26位です。

社内で窓際族と呼ばれるような生産性の低い労働力が雇用され続けることが少ないことや、高校進学率が70%程度であることに示されるように、人生の生き方が自由で多様であり、新卒一括大量採用という文化もないため、一人ひとりが自分の持つ才能や関心を最大限に市場の中で発揮しようとすることが、デンマークの高い労働生産性の要因の一つと指摘されています。

また、終身雇用ではなく特定の業務・ポジションに空席や募集が生じた場合にその職に応募し雇用されるシステムであるため、学生にとってはインターンなど実際の勤務経験があることが就職の際には必須であり、社会経験のないまま高校・大学とストレートで卒業して社会人になることが多い日本と対照的です。

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また、日本では「プレミアムフライデー」が導入されましたが、デンマークのようにそもそもほとんど残業がなく、いわゆる会社人間になることがなく、余暇の時間を利用して家族や地域、社会と多くの関わりを持ち、そこで得られる知見や人間関係を、逆に本業にフィードバックできるといった効果もあります。

加えて、女性の社会進出が進んでいるのもデンマークの特徴です。日本では女性の労働市場参加率は5割程度ですが、デンマークでは、男女の間で労働市場への参加率に大きな違いがなく8割近くの女性が働いています。特に、結婚や出産によって仕事を辞める女性が多い日本と異なり、デンマークではそうした現象が見られず、全体としてデンマークの強い経済を作り出すことにつながっていると言えます。

Medley of creative minds
これからは大企業よりも、時代の変化から生みだすことのできる中小企業、スモールジャイアンツに価値があるかもしれません。そのためへの大きな取り組みが、ビジョン採用です。同じ価値観で働くことのできるコアバリュー採用、トニー・シェイはコアバリュー採用が唯一無二の企業文化をつくると言っています。

求人プロセスをデザインし、仕事を通じて幸せにする、オフィスを豊かにしていく。 大学2年~3年生のインターンシッププログラムで、学生は気軽に働けて、理解とフィットとチャンスを得ることができ、企業側も自分たちの魅力を伝えることができます。山崎文栄堂も「幸せな社会を創り拡げる」のビジョンを明確にし、共感する人を授かっています。

Fushimi Inari Taisha Shrine in Kyoto
京セラの稲盛和夫さんは、JALの再建や、不可能を可能にしてきたビジネス人生を、中村天風さんの次の言葉で表現します。

「新しき計画の成就にはただ不屈不撓(ふとう)の一心にあり、さらばひたむきにただ想え、気高く強く一筋に」

これは欲など捨てて、強い意志をもち、一心に努力すれば、新たな道が開けるということです。

そして、「心は西郷隆盛、才覚は大久保利通ですわ。若い頃には才覚があり、頭がよくて戦略や戦術を組めることが大事だと思うでしょうけど、そうではない。まず心を整え、その上で才覚を発揮しないと、仕事なんて何もうまくいきません」と言います。

Rear view of a businesswoman sitting for an interview. Horizontal shot.
今、必要な人が集まらないと嘆くことをよく耳にします。

特に建設業、小売流通業や飲食サービス業、IT産業の人手不足も急速に広がっています。もともと、体力のない中小企業はどう対応していったらいいのでしょう。

社長と社員の信頼関係が全てのベースです。

世界トップレベルの賃金水準、贅沢な消費感覚、重税感、高齢化社会、財政赤字という経営として世界トップレベルの悪条件な中で、経営の苦労は大変なものかもしれません。

しかし、社員のやる気なくして、幸せや永続する会社は生まれません。

Close-up of a businessmans hand
社員の給料もあげて、同時に会社の増益も達成する。 社員の給料もあげてやりたいが無い袖は振れないと言ってばかりはいられません。 少ない原資を、少ない人数で分けることです。 社長とは全社員の幸福と生活向上を計画的に実現させる人なのです。

現在の事業体制の仕事と人を抜本から見直し、攻める事業と守る事業と捨てる事業を見極め、たとえ景気の後退があっても増益をとなる体質をつくりあげ、ちょっとやそっとのことでびくともしない企業体力を着実につけていくことです。

社員の待遇改善のためには、労働生産性を上げることが絶対条件です。

社長の人に対するポリシーを明確に打ち出し、年々、労働生産性を確実に高め、その結果として、社員の生活向上のために1人あたりの人件費を確実に上げていくという一連の流れを計画的につくる。できるだけ人を増やさないで、事業全体の付加価値を伸ばしていくのです。

Tokyo City Skyline
みなさんは、クリエイティブな国ってどこだとおもいますか? アメリカ、ドイツ、フランスでしょうか。 アドビの調査ではクリエイティブな国第1位は、なんと日本です。そして、クリエイティブな都市1位は東京なのです。 上位のランキングに入った国の中で、唯一日本だけが自国をクリエイティブな場所と思えていない。

それが大きな問題です。

クリエイティブになる勇気があるか?これにつきます。なれるかどうかはやってみなければわからない、しかし決意を固めることはできます。クリエイティブとは既存の枠の外で考えるのではなく、既存の限界ギリギリのところで考え行動していく。そして、発想の基礎から、迷いや疑いを受け入れ、改善して、無心に新たなものをつくりだすのが、クリエイティブなのです。

Team work. New product researching. Startup crew
近代以前は、クリエイティブな仕事は神の手でした。

しかし今や、クリエイティブは贅沢品ではなく、今後のAI時代に向けての必需品なのです。もっと多くの人がクリエイティブになれます。 独創だけでうまれるわけではなく、毎日毎日の積み重ねです。ピカソには無数のメモがあり、優秀なバイオリニストは練習も仮眠もしてパフォーマンスを発揮するのです。

共通していることは、クリエイティブな人は仕事を愛しています。フローの状態です。個人の心理ではなく、人、分野、場所、相互の関係です。クリエイティビティーは脳に宿っていると考えられがちです。

しかし、クリエイティビティーは他の人が適切な場所で適切な時間に適切な行動が取ることができるようになる条件を創ることだと言ったほうが正確かもしれません。

Big deal
中小企業経営のカリスマ、一倉定先生は 「世の中になくて、良いもの」は、高収益を期待できることを知れと言います。

世の中になくて、良いものは、お客様が値段のことをあまり言いません。本人の好みに合ったものならば、値段は二の次だからです。おまけに、こうした商品はマーケットがあまり大きくありません。

多くの人々は、「たくさん売れるもの」に魅力を感じます。「市場が大きい」というだけで、たくさん売れ、利益も大きいと思いこむのです。沢山の人が手を出し、過当競争に陥り、低収益に泣くことになるのです。世の中になくて、良いものになると収益性も良くなるし、過当競争も緩和されてきます。

だから、中小企業のねらいは常に、世の中になくて、良かったものを生みだすことにあるといえます。大企業とは競合せず、他の中小企業もあまり目を向けず、高収益を得られる良い事業こそ「世の中になくて、良かったもの」なのです。

Teamwork and team spirit
それこそがイノベーションといえます。

社長と社員が協力をして、世の中にない価値あるものを新たに生み出すイノベーションで
生産性をあげ貢献していくビジョン経営が、日本を幸せにすると確信しています。

Noboru Yamazaki.

blog_vision

~人が生きる奇蹟の組織創造を目指して~ 
ビジョン経営を実現する 株式会社ワールドユーアカデミー
 

別の記事を読む → http://blog.world-u.com/

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