誰にでも出来る脳細胞の増やし方、それでチームの絆も深まります

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脳細胞に関して「大人になったら脳細胞は死んでいく一方なので、どんどん衰えていく」と多くの人は信じています。実際に「最近、物忘れがひどくなって、人の名前も直ぐに出てこないんだよね、脳が衰えてきたかな」という話をよく耳にします。
しかし、これは真実ではありません。「脳の衰えは細胞が死んで減るからではなく、萎れていくからです」と東京大学大学院准教授 久恒辰博氏は言います。

「衰える事に変わりは無いので、細胞が死のうが、萎れようが同じでしょ」と思うかもしれませんが、大きな違いがあると久恒氏は続けます。
「死んでしまえば再生のしようがありませんが、萎れているだけなら栄養を与えれば復活できます」

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さらに1998年スウェーデンのサールグレンスカ大学病院のエリクソンと米国ソーク生物学研究所のゲージが大人の脳の中でニューロンが新しく生まれていることを見つけました。
ニューロンとは神経細胞を指し、一般的に脳細胞と呼ばれるのはこの神経細胞の事です。これは、「幼年期で成熟した脳細部は加齢と共に減少する」という定説を覆す画期的な発見で、これ以後ニューロン新生の研究が進んできています。

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ハーバード大学医学部のジョン・J・レイティ博士は「運動すると、脳由来神経栄養因子(BDNF)という物質が脳の中でさかんに分泌されます。このBDNFが、脳の神経細胞(ニューロン)や、脳に栄養を送る血管の形成を促すことが明らかになりました」とニューロン新生には運動が最適だと言っています。

いくつかの研究では、有酸素運動によるトレーニングで記憶をつかさどる海馬が大きくなることがわかっていて、脳の認知能力が高まる事も明らかになっています。

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それゆえに、アメリカでは、学業成績と運動についての研究がすすめられ、レイティ博士もネイパーヴィル203学区の子供たちをモデルにし運動による学業成績向上を明らかにしています。しかし、レイティ博士はこう指摘します、「運動はあくまで、脳が学習するための準備を整える役割です。成績を上げるためにはその後の学習とセットで考える必要があります。運動を終えるとまもなく脳の血流が増しますが、このときこそが思考力や集中力が飛躍的に高まるチャンス。勉強を始める前、出来れば朝やることをお勧めします。」

レイティ博士はこの運動プログラムをboksプログラムとしてまとめています。その内容は
準備体操、ランニングプログラム、グループゲーム、クールダウンで構成されています。

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このboksプログラムを理想的に実践し博士自らが視察に訪れた学校が実は日本にあります。
栃木県宇都宮市郊外の田園風景の中に立つ市立瑞穂野南小学校。2時間目の終わりを告げるチャイムが響いた後に、全校児童あわせて140人ほどの子供たちが、おはよう!と元気な声をかけながら、ぞくぞくと体育館に集まってくる。子供たちはかぶった帽子で赤組と白組に分かれ、手をつなぎ大きな輪を作る。boksプログラムの始まりです。

学力面での効果について同校の教諭は「boksで身体を動かした後の授業では、記憶の定着や計算のスピード、授業への集中力が向上していると強く実感しています。」と語る。
田んぼに囲まれた、一学年30人程度の学校から私立中学の受験に挑戦し、第一志望に見事合格するという児童も現れている事も効果の証拠と言えます。

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企業のチームビルディングに登山が行われます。登山は登頂と言う目標に対して、あらゆる環境要因、リスクを想定して準備、計画のもとで山を登ります。登っている間、リーダーは環境変化に即座に決断していかなければなりません。目の前に現れる困難に対しても仲間を鼓舞し登頂し下山します。このプロセスが企業活動と同じだという理由です。

そして、この理由に科学的な根拠が加わります。登頂を目指して一歩一歩足を踏み出すにつれ、身体に変化が起きてきます。汗が滲み、心臓の鼓動が早くなり、心拍数が上がってきます。呼吸が苦しく、大きな深呼吸をしながら足を踏み出すようになっているかもしれません。このとき身体の内部では、インスリン用成長因子(IGF-1)が脳にグルコースを届けなければと動き始め、血管内被成長因子(VFGF)は脳に酸素を届けなければと動き、そして繊維芽細胞成長因子(FGF-2)は筋肉を成長させなければと進みます。これら3つの因子はそれぞれ脳を目指し、そこで脳由来神経栄養因子(BDNF)の分泌を促し、ニューロンの生成を助け、幸福ホルモンのセロトニンの分泌をも促進していきます。

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さらに森の中には、ハイパーソニックサウンド(20kHzを越える音)に満ち、脳を活発にしてくれます。山を登っている間に互いに掛け合う言葉は、幸福感を持って心に染みてくでしょう。リーダーや仲間の声の響き、笑顔、互いに触れ合った肌の感触が「私達は仲間だ!」と言う思いと共に脳に深く刻まれていきます。これらは脳の仕組みから当然と言えます。

脳科学は近年急速に進んできています。過去においては分からなかったけれど、今は明白になっているものが多くあります。これからは、これらの情報をもとにリーダーシップ開発や組織作りを行う事が大切になるのではないでしょか。

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~人が生きる奇蹟の組織創造を目指して~ 株式会社ワールドユーアカデミー 

参考)金子 順、久恒 辰博 ニューロン新生脳科学辞典 DOI:10.14931/bsd.1798 「脳を鍛えるには運動しかない!」著者:ジョン・J・レイティ博士(NHK出版) 「大人にもできる脳細胞の増やし方」著者:久恒辰博(角川書店) 「脳細胞が増える運動3つの条件」PRESIDENT Online 2013年8月24日

別の記事を読む → http://blog.world-u.com/

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