宇宙に生命が誕生したのはいい加減だったから。
「楽観主義で、お達者に生きる」

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楽しむために生まれてきた

「遊びをせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけん、遊ぶ子供の声聞けば、我が身さえこそ動かるれ」
平安時代の戯れ唱のように人生を楽しむことが出来ればなぁと、凍てつく夜にふと空を見上げると、星々の煌きに思わず足を止めて見入ってしまいました。

宇宙は137億歳であることがわかっているのですが、今眺めている星々はその宇宙が誕生してから38万年経った光なのです。
このことは常識になっていますが実はこの宇宙が今も凄い勢いで膨張し続けていることを知る人は少ないかも知れません。

ほんの少し前までは宇宙の始まりはビックバンだと言われていました。けれども現代では宇宙かほとんどなんにもない無に近い世界が急速に膨張してインフレーションをおこしたのだとされています。

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引力に逆らってなぜ星々は今も宇宙に散らばっているのだろう

宇宙は今もなお膨張を続けていて時たま膨張が止まるとそのエネルギーが爆発してビックバン、大爆発を起こすというのです。
こうして宇宙の成り立ちがわかってくるとどうやって人類が誕生したのだろうという疑問がわいてきます。

ニュートンは神様が箒で星々を宇宙にまき散らした。いわゆる「神の一撃」が宇宙の発端だと考えました。
なぜなら引力に逆らって星々が宇宙に散らばっていられる理由が考えられなかったからです。
引力があるならいずれはひとつの場所に集まるしかない訳ですからね。

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宇宙では丁度良い具合になった時に命が誕生する

インフレーション理論が確立して神様の箒は必要なくなりましたが、どうやって命や人類が誕生したのかという疑問は解消されません。
この疑問をマーティン・リースという学者が童話に例えて「ゴルディロックスの宇宙」理論を提唱しました。

ゴルディロックスというのは童話の中の女の子の名前です。
皆さまも一度は読んだり聞いたりして知っていることでしょう。森を彷徨っていた女の子がクマのお家に迷い込みます。
そこで熱すぎたりぬるすぎたりしない丁度よい温度のおかゆを食べ、大きすぎたり小さすぎたりしない自分にピッタリの寝心地の良いベッドでぐっすりと眠ったという童話です。

リースは宇宙にはその性質を決める6つのパラメーターがあって、そのつまみがちょうどよい具合になった時に生命が誕生すると主張しました。
この世界には無数の宇宙があるけれども、いい具合にパラメーターが微調整された時に生命が誕生するというのです。

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人々は戦争と平和の狭間で祈った

そんなにうまい具合に命が誕生し、そのうえこうやって宇宙に進出するような人類が誕生する確立なんてとてつもなく低いように感じるでしょう。
 
アメリカの宇宙論学者のロバート・デッキ―は「宇宙は人類を生み出すために進化した」と主張しました。
そうなると宇宙は137億年という長い年月を人類誕生に費やしたことになります。なんと壮大なお話でしょうか。

ちょうどよい具合の地球に生まれた人類は、なかなか丁度良い塩梅に生きては来られませんでした。緊張と緩和、戦争と平和が人類の誕生からの長い歴史にはついて回ります。
これは日本だって同じことでいくつもの戦いの歴史がありました。

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日本の神々は遊びが好きだ

ところが東京大学教授の中村元氏によると日本人の思考方法には少し他と違う部分が見られるというのです。

日本人は古来寛容と徳というのを大事にしている民族で、敵対した部族でも降伏すれば仲間に引き入れてしまう。敵は殲滅するものだという西洋の感覚とはかなり違っています。

まして島原の乱のような宗教戦争などの場合にはそれが顕著で、戦没者の法要に1千人もの僧侶を集めて弔い大きな供養塔まで建立しています。
宗教戦争で異教徒は殲滅してきた十字軍がイスラム教徒の冥福を祈ったという話はついぞ聞きません。

日本の神々は互いを「愛しきもの」と呼び、共に「日八日夜八日を遊びたりき」と記されていてどうにも長閑なものです。

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日本人か小さきものを好む

このような寛容の性質はどこからくるのかといえば、どうやら日本人は小さきもの優美なものたおやかなるものを好む傾向があることも影響しているようです。
大きな自然を小さな盆栽に移したり、花鳥風月を人と一体のものとして慈しんだりしているのは、和歌や俳句から自然を詠ったものを除くことが出来ないことでもあきらかです。

では諸外国は違うのかといえば、自然は驚異の対象であり犬や猫を可愛がる対象にはしても、
「我ときて 遊べや親の ないすずめ」や「山鳥の ほろほろと鳴き声きけば 父かとぞおもふ 母かとぞ思ふ」というように自然の動物を愛でることはなかったようです。

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武士は情けを知らなければならない

武士道でも同じで勇猛果敢な猛将であっても詩歌を読み下し、茶道のたしなみをもち花鳥風月を好むというのがあるべき姿だったのです。
ですから敵に塩を送るというのは当然のことであって、困っているのであれば敵であっても救うのが武士道でした。

実際に直近では1942年米英蘭豪連合軍とのスラバヤ沖海戦で勝利した日本海軍の工藤俊作艦長は撃沈したイギリス艦「エクゼター」乗組員376人と「エンカウンター」乗組員422人の救助を行いました。
連合軍の潜水艦がいつ攻撃してくるかわからない危険な状況の中で、漂流者の全員救出を目指したのです。
 

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敵味方関係なく弔う

戦争が終われば敵味方関係なく靖国神社だけは例外ですが、多くの神社やお寺で敵兵を弔っています。

北朝鮮からの難破船から流れ着いたと思われる遺体も寺社の僧侶が懇ろに弔い「できれば身内の元に帰してあげたい」と言っている映像がTVで流れたりしますが、
日本人にとって死ねばみんな仏さまであり、罪があがなわれるのですから死者に敵や味方の区別なんてあろうはずがなかったのです。
 
永遠に許されない罪や罰などというのは日本人の感覚ではなく、全ては水に流してしまうという解決方法をとりますが、これは諸外国からすると考えられないことのようです。

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主君の為に47人もの人の命が犠牲になるのは合理的ではない

また忠臣蔵に見られるように、主君の仇を命がけでて討つということもありません。
忠臣蔵というのは主君が辱めを受けて死罪になった敵を臣下が徒党をもって討つというものですが、これは諸外国には例がありません。

主君が悲運のうちに殺されるような例どこの国でもありますが、その為に多くの臣下が命を落とすなどというのは、あまりにも非論理的なのだそうです。

このため日本人は論理や弁論が苦手で情緒的だという批判が起きてしまいます。
法律や正義というもの以外に、日本には日本人たちだけで通じる暗黙の了解というものがあり、それが日本を訪れた外国人を悩ませるようです。

「日本人は親切だけれども、なかなか心を開いてくれない」という外国の人の嘆きは意図してではなくても日本においては人間関係が非常に重視されている弊害かもしれません。

日本は個人主義というよりは、自分の帰属する組織を大事にする風潮があり、家族や会社、或いは大学や部活の仲間を守ろうとします。

 
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支配者も家族のリーダーだと考える

元々諸外国においては王や支配者は簒奪者であり、民衆を支配するものと考えられてきましたが、日本では支配者は民を守るもので民の手本となるものと考えられてきました。
ですから支配者も被支配者も等しく大きな家族の一員だと考えているので、師弟であったり主君であったりするものには全てを捧げて仕えるようなところがあります。
先に挙げた忠臣蔵がその好例でしょう。
 
ですが逆に今話題のパワーハラスメントというようなことは、反対にあり得ないことでもあります。
上に立つ者ほど謙虚であるというのが、日本人の感性だからです。現存する日記などを見ても上にある者は厳しく自分を律する躾を受けていました。

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日本では指示はあいまいだ

このように個よりも集団の倫理を大事にするというのは、全く自由がないように見えます。
ところが面白いことに実際に働いてみると日本の方がずっと自由裁量の幅が大きいことがわかります。
 
昔の殿様が「よきに計らえ」と言う様なものです。日本の上司は部下に事細かな指示は出しません。
「例の件よろしく頼むよ」こういわれた部下は自由に自分の力量を振るうことになります。

西欧の会社では部下に指示を出す時は事細かに命令します。きちんとした指示を出すのが上司の仕事ですし、部下は権限意外の事は一切することはできません。
「そこのところは融通を聞かせてよ」なんて訳には行きません。自由な西欧がかえって不自由で集団主義の日本人が自由であるというのは皮肉な感じがしますね。

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お達者でとは心と身体の健康を祈る言葉

「健全な心は健全な肉体に宿る」
随分とかっこよい言葉ですし、海外のエグゼクティブは自分の身体を鍛え上げるのも大事な仕事のひとつです。

ところがそんなことは日本のお年寄りはとっくに知っていたようです。
「お達者で」
最近ではあまり聞くことがなくなったかもしれませんが、少し前までは「お元気で」の代わりに随分使われていたことばです。
同じ意味合いに聞こえるかも知れませんが、達者という言葉は仏語で悟りを得る者という意味が含まれているのです。

古来の日本人は健康な身体でなければ悟りを得ることはできないということを知っていたのですね。 

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笑顔で現実を受け止める

同じように「良い塩梅」と言う言葉も日常的に使われてきました。
実際にはちょっとばかり不幸なことや困ったことでも、「まぁいい塩梅だろうね」と言い換えいずれ災いが福を呼ぶよと笑い飛ばしてしまったのです。

したたかとも忍耐強いとも思えますが、日本人の性質は楽観主義に彩られていると中村教授は言います。
毎年サラリーマン川柳が発表になって、思わずにやりとさせられてしまいますが、川柳というのは日本の庶民の文化です。

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災害にもへこたれない

日本人は与えられた現実をそのまま受け入れ、それを笑い飛ばしてしまうしたたかさと精神の強靭さを持っていました。
狂歌や川柳で政治を皮肉り、第二次大戦で負けてしまった部隊でも「またも負けたか八連隊」と自分の軍隊を茶化してしまう。そんなおおらかさがありました。
 
雨がふれば「良いお湿りですね」といい、戦火で家がまる焼けになっても「いやぁー、きれいなものです。さっぱりしました」とあっけらかんとしているのです。
この現実主義に根差した楽観主義が今でも様々な自然災害から人々を立ち上がらせてくれました。
 

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人は命を次代に繋げていく

この宇宙が良い加減に諸条件を整えて命を誕生させてくれたのだとしたら、生来の楽観主義を活かして良い加減に楽しんでいくのも素敵なことのように思われます。

星々がどんどん遠ざかりやがてその光を見ることが出来なくなるように、私たちもいつかは先人の足跡を見失うことになるでしょう。
けれども命は連綿として次の命を繋いでいきます。親から子へそして孫へと繋ぐその伝統に良い塩梅に人生を楽しむ生き方を伝えていきたいものです。



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参照:「命は宇宙意思から生まれた」桜井邦明
   「日本人の思惟方法」中村元
   「ホーキング、宇宙と人間を語る」スティーブン・ホーキング
   「ジーニアス 可能性を見つけよう」石角友愛
   「ざっくりわかる宇宙論」竹内薫


別の記事を読む → http://blog.world-u.com/

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