成功法則とデータ分析の共通項に見えてきたる幸せの導き方

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本当の人脈は仲間を作ることから始まる。

人脈を作ろうとする行動のひとつに名刺交換があります。名刺交換は多くの人々が日常的に行っている行為ですし、新入社員が入って来た時に、最初に手渡される武器でもあります。

しかし人脈というものを考える時、例え年間数千人に名刺を配っていても、それを人脈と呼ぶことは出来ないでしょう。自分自身を振り返ってみても、過去に名刺交換した人の顔や名前を思い出せるでしょうか?このことは「客家の18の金言」の中で説明されています。

人脈というのは、「一生涯付き合っていける人」のことです。そしてそれはどのような立場の人であっても、「日常的に親しく付き合っていける人」はせいぜい50人ぐらいです。そうなるとその50人がどのような人なのか?が問題になります。あなたの限られた人脈に入る大切な友人をその見識で選ぶ必要があるのです。

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運のよさは人ネットワークの構築力にある。

幸運を「人生や社会における好ましい出来事」と仮定した場合、この望ましい出来事が起きる確率をコントロールすることで、幸運に近づくことが出来る事になります。

運との出会いが確率であるならば、試行回数が多いほど「望ましい確率現象」がおきる確率が増えることになります。エジソンの言葉をかりれば「失敗は成功の母である」
失敗回数が多い程成功する確率が高くなると言う訳です。

運との出会いを数値化するには「ソーシャルグラフ」というものを作成します。ソーシャルグラフとは、人と人との関係性をグラフ化したものになります。そしてあなたの友人からさらにその知り合いに辿りついた時に、より運に巡り合う確率が高くなる筈です。

知り合いをステップ1としたら知り合いの知り合いはステップ2となり到達度が上がります。到達度が上がれば、その情報量はステップ2が持つ知り合い数だけ増える事になります。つまりあなたにとっての有益な出来事や、情報を得る確率が上がるということです。

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キーパーソンは到達度の高い人

この到達度と運の良さとの関係性について、マサチューセッツ工科大学と日立製作所中央研究所との共同研究があります。ある会社の営業活動について、この仕事が上手くいく人と、上手くいかない人を調べたものです。

仕事が上手く行く人の共通項が到達度の高い人であることがわかりました。これは良い営業マンが「紹介してもらう事」を大切にしていることと重なりますね。

この研究をさらに進めて、運の良い人=キーパーソンと仮定して、このキーパーソンが組織上のどの位置にいるか調べてみたところ、かならずしも職位の高い人ではありませんでした。あなたの運を高めたければこのキーパーソンとなる人との会話量を増やせばよい事になります。キーパーソンは面会数や多くの人とのつながりで見分けられます。

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リーダー運が強い人は部下の結束力が強い!

リーダー運を持つ人とはどのような人でしょうか?それは到達度の高い人のことです。そのためにコミュニケーション能力に、磨きをかける必要はありません。もっと良い方法があります。それは部下同士をつなげていくことです。

あなたを中心とした放射線状のネットワークではなく、部下同士をつなげた三角形のネットワークを構築することで、到達度は大きくなります。あなたと部下A、あなたと部下Bというような放射線状のネットワークですと、部下Aの持つ情報が部下Bには共有できません。

最近では、名刺の一元管理を推進している会社もありますが、これも情報の一元化を狙ったものです。しかしチームをネットワークでつなぐことで、結束力の強いチームを作り上げることが出来ます。

運の良いリーダーとは、部下を結束させることが出来る人の事です。情報が共有化され、望ましい結果のでる確率が上がるからです。

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1日に使えるエネルギー総量は決まっており、その配分も法則により制限される

時間は誰にとっても有限です。ですから時間をコントロールして、もっと効率的に仕事をするべきだと考えてしまいがちです。成功者はとても働き者だと考えるからです。それなのに仕事にどうしても集中できなかったり、やる気が起きないことがあります。

人間は自分の意思で行動や時間の使い方がコントロールできると考えてきました。「時間管理」は成功法則を語る重要な問題だと思われるからです。

ところが科学はそれを否定しています。「エネルギー保存の法則」は人間にも有効だとわかったからです。人間の1日に使えるエネルギー総量は決まっていて、しかもその配分にも制限があることが判っています。人間のエネルギーは緩やかな下降線を描くU 型になり、全ての被験者が同じ分布をたどりました。

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人は自由であるがゆえに法則という牢獄に囚われる。

人にはそれぞれ活動エネルギーが決まっています。活動的な人と静かな人に分けられ、また「活動的な日」と「静かな日」があることもわかってきました。では活動的な人が仕事が出来る人かというと、そういう訳でもありません。制約が働くからです

静かな人がするような、例えば原稿を書くというような仕事を、活動的な人が行うことは出来ません。動き回らずにはいられないという制約のせいで、静かな仕事に時間を使えないのです。

人間もエネルギー保存の法則に縛られていて、活動予算が決まっていると言う事がわかると、仕事の進め方を変えることが出来ます。やる気が起きないのは、活動予算を使い果たしてしまったか、本来使えるエネルギー帯でない部分(活動的な仕事又は静かな仕事)に無理やり使おうとしているせいかもしれません。部下を適材適所で使う必要も切実になります。

面白い事にこの現象は、人間が自由な時におきます。自由ではない人間の場合には、そもそも選択肢が無いからです。選択肢がなければ制約は働きません。

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幸福を数値化することが出来る

幸福、ハピネスを数値化してその幸福度数を科学的に制御することが出来るだろうか?この疑問に真っ向から取り組んだのが、カリフォルニア大学教授のソニア。リュボミルスキ教授で、「ハピネスの方法」という著書を記したハピネス研究の第一人者です。

一卵性双生児の膨大なデータから導かれた答えは、ハピネスの遺伝的要因は50%。半分は遺伝で決まっています。しかし残り半分は後天的な部分なので自分で変えられる部分が多いことが分かります。

それでは環境的要因はどうでしょうか?環境的要因に含まれるのは、人間関係、お金、健康などです。つまり結婚や離婚、お金持ちや失業、病気になるなどで、これらはハピネスに大きく関わっていると考えられてきました。

ところが、このような環境的要因がハピネスに占める割合は、わずか10%しかない事がわかりました。信じられない事ですがこれらを定量的に研究した結果、人間は想像するよりはるかに短期間で、この環境的要因の変化になれてしまう為に、幸せに対する影響が少ないことがわかりました。

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行動することがハピネスに繋がる

ハピネスの残り40%は行動したかどうかで決まります。人は自分から積極的に行動すると幸福感を得ます。

この行動はごくささやかな事で、人にありがとうを言ったり、困っている人を助けたりというような一見簡単なことです。行動の結果が成功したか不成功かは関係なく、行動を積極的に行ったかどうか、がハピネスを決めます。

客家の法則に「運は親切にした相手の背中から来る」「笑顔はコストゼロの最高戦略」という言葉がありますが、自分から積極的に行動したからこそ、得られた幸運と言えるでしょう。

そこで社員のハピネスを高める方法を計測るために、一定数の社員に「今日良かった事」を書いて貰うという実験を行ったところ、その社員群は朝から活動量がピークになり、帰宅時間が早くなりました。そしてハピネスレベルが上昇しただけでなく、会社への帰属意識まで上昇しました。

さらに明らかになったのは「幸せを感じている人の身体は良く動く」ことです。話す時も相手に身体を傾けますし、身体の動きが増えるのです。

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幸福は伝染する!

上にある犬の写真を見て、少しだけ心が軽くなったりしませんか?実は幸福は伝染することがわかっています。

その実験はコールセンターを使って行われました。アウトバンドといわれる電話セールスのコールセンターの受注率は、オペレーターのスキルレベルでは変動しませんでした。

そこでお昼休息を、同世代の4人チームで同時に取るようにしたところ、休憩中の活発度が10%以上向上し受注率は13%向上しました。同じような実験がマサチューセッツ工科大学でも行われましたが、活発な現場では生産性が高まり、活発な身体運動が伝染することがわかりました。

昔は会社でも運動会が行われていましたが、活発な身体運動が生産性やコストに影響することが、経験値として知っていたのかもしれません。身体運動が伝染すると言う事はハピネスも伝染することになります。

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ハピネスは集団の中で連鎖する

従業員のハピネス度について大規模なデータ計測と分析を行った結果、集団では例えば磁石の内部のスピンが、互いに同じ方向を向く性質があるように、人間の集団にも協力現象が起きて、同じ方向をむこうとすることがわかりました。

人の集団においては、常に周りに影響を与え合っていて、身体の活発度やハピネスな状態もお互いに影響を与えあうことで、集団の活発度やハピネス度数が決まることがわかりました。

つまりハピネスというのは個人としてとらえるよりも、集団としてとらえた方がよいことが分かります。「幸せになりたければ、幸せな人の隣にいなさい」というのは本当の事のようです。

昼休みや休憩時間の環境を整えて、活発度を上げたところ、個人中心の業務では10~20%、チームプレー中心の業務では37%以上生産性が上がりました。社員のハピネスがそのまま会社のハピネスに繋がることがよくわかるデータです。私たちはもっと積極的にハピネスを伝染していく方が良いようです。

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~人が生きる奇蹟の組織創造を目指して~ 
ビジョン経営を実現する 株式会社ワールドユーアカデミー
 

参照:「データの見えざる手」矢野 和男  「客家 大富豪の教え」甘粕 正

別の記事を読む → http://blog.world-u.com/

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