本棚を見ればあなたが何者か判る。あなたの年収も判る。一流の人の読書法とは?
エブラハム・リンカーンが「40歳以上の人間には、自分の顔に責任がある。」と語ったと聞いた者が、これを面白がって「では読書家もしかり、本を読んでものを考えた人間と、全く本を読書しないものとは、明らかに顔が違う」と言ったといいます。
日本経済新聞社産業研究所の調査によると年収と読書量が正比例するという結果があります。さらにアメリカの読書時間の調査結果によると20代、30代のビジネスマンは1ヶ月の読書量は平均0.26冊。それに対して、30代で年収3000万円の人の読書量は平均9.88冊だそうです。その差は38倍になります。
面白い事に読書傾向にも差が見られます。PRESIDENTによると稼ぐ人ほど「学術書」を読み、低年収ほど「自己啓発書」「漫画」を好む。稼ぐ人は「著者」で本を選び、低年収は「タイトル」で本を選ぶ。といったデータがあります。
本来、出版社は本という知的・精神的に影響力が大きいものを、世の中に出すのだという崇高な誇りを持っているものでした。角川文庫を読まれた方はその奥付を読んでみて下さい。そこには当時の社長が戦後の焼け跡から、未来を担うにたる英邁を育てる一助になりたいとの、胸を突く言葉が書かれています。それは角川文庫だけの話ではありません。岩波文庫などは、まさに良書を安価にとの理念の通り、世界の名著が並んでいます。
ところが、最近は本を読む人が、激減しているといいます。それは出版社の売り上げを見ると、はっきりと判ります。出版科学研究所のデータによると、1996年の2兆6564億円だった売り上げが、2014年には1兆6065億円にまで、減少を続けています。出版社は、売上の低下を食い止める為に、発行部数の低下による減収を、タイトル数を上げる事で、補っていこうと考えました。1冊の制作期間を短く、コストパフォーマンスを下げ、刊行のペースを上げていきました。今まで月1タイトルしか刊行できなかったものが、10タイトル出版出来る事になる訳です。安く、早く、大量に生産する。今の時代にあったビジネスのあり方と言えるでしょう。
さてこのような、重厚な本を読まないで、安直なノウハウ本やハウツー物が本屋に平積みになり、「成功するための12の心得」とか「イエスと言わせる販売術」「デキル男になるために」などの本を読んで、すっかり満足し、そして実は何一つ身につかないと言う様な事は、現代の時代の特徴のようにすら思えます。
面白い事に、ショーペンハウアーが「もろもろの本が、昔の比の或いは彼の、天才に関して書かれる。そうして公衆はそれを読む。併し彼の天才そのものは読まぬ。」と痛烈に述べています。つまりカントの本は読まないが、カントについて書かれた本は読む。そうして、カントを知った気分に浸る、というのです。そういえば「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が280万部のベストセラーになった事がありました。実際にドラッカーの本を読んだ人は、どれくらいいたのでしょう。
読書は、とても楽しいものです。娯楽のための読書や、安らぎのための読書を否定するものでは、ありません。例え難解な本を読まなくても、本を読むことは知らない世界を知り、想像力を羽ばたかせてくれます。読書をする事で、より人の心を深く理解できるようになるでしょう。
イギリスの外務大臣であったエドワード・グレイ子爵が有名な「レクリエーション」と題する講演の中でこのように力説しています。「何時でも新しい本が出た都度に古い本を読め」と言うのです。彼は例えばギボンの「ローマ帝国滅亡史」やサッカレーの著書など常に手元に本を置き、忙しい中でも本を手に取っていたといいます。
一流と言われる人々は何故古典を読め、と言うのでしょうか。古典は往々にして、難解な大著である事が多いものです。しかしこのような古典という書物は、例外なく人類の歴史において、重大な影響を与えています。トルストイの「戦争と平和」、アダム・スミスの「資本論」、ゲーテの「ファウスト」、マルクスの「資本論」等々これらの書物が、社会に大きな影響を与えて事は、ご存知の通りです。そのような哲人と、直接会話できるのが読書の醍醐味です。
今、一流と言われる人々は良い本を大量に読んでいます。読書を、ただ活字を読んで、知識を身に着ける事だと考えてはいませんか?そういう面もある事は確かです。そのような読み方を否定するものではありません。あるいは楽しみの為の読書。リラックスの為の読書。読み方に決まりなんてありません。どのような読み方をしても、読書は読む人に想像力という素晴らしい力をつけてくれます。活字を脳内で映像化して、しかも登場人物の気持ちまで汲んでいるのです。素晴らしい能力ではありませんか!
では一流の人になるための読書法とはそのようなものでしょう。まず一流の人になるには、素晴らしい一流の人の傍に居て、その真似をする事です。一流の人に師事し真剣に向き合う必要があります。素晴らしい剣士が師匠に学ぶように、歌舞伎の世界でも、小さい頃から、ただただ所作をまねることから始めているでしょう。
ここで問題になるのが、私たちはそのような人物の身近には居ないという事実です。だからこそ読書があるのです。本の世界では、あなたはどのような有名人にも会いに行くことが出来ます。アインシュタインと対話し孔子に学び、トルストイと語る。本来もう亡くなっている人とも対話できる!それが本を読む醍醐味です。読書は対話だと申し上げました。対話である以上、考えなくてはなりません。古典や名著は、難しいものです。
すこし背伸びする必要があるかもしれません。それでも投げ出さない事です。1章読んだら、考えます。先人に学んでいるのですから、まるのみして、疑問を持たずに先に進んではなりません。考えるのです。そうして著書に疑問を投げかけるのです。もう亡くなっていたら、絶対に答えは貰えません。そうして考え考え必死に著者に食らいついてくのです。剣豪の修行のように、本と真剣に向き合って下さい。そうする事で、なにか気づく事がおきます。腑に落ちる感覚といっていいでしょう。
一流の人は品格があります。柔軟で決めつけることをしません。とても素直で、恐ろしい程頑固です。そういう人が「良い本」を「大量」に読んでいます。成功した今でもです。すぐに一流の人になるのは、無理があります。ですが一流の人と毎日対話する事で、本を読む事で、少し近づく事は出来るでしょう。幸いな事に多くの人が、読書から離れ、ノウハウ本を読書だと感じているなら、少しは前を歩けるかも知れません。
本を読んでいるとの、その時の自分の求めていた言葉が、きらりと落ちていたりするので、そういうものを丹念に、まるで落ち葉を拾うように集めていくと自分だけの本が出来るでしょう。そういう言葉は、後々、何かの時にきっと役にたちます。
では一流の人、その本棚に並んでいる本はどのようなものでしょうか?例えば、ジョブズの本棚は、どうでしょうか?ジョブズの本棚には、どのような本が並んでいると、考えましたか?そうですね。安直で簡単な本が並ぶ本棚は、想像されなかったと思いますが、いかがでしょうか?本棚を見れば、その人が判るならば、その人をみれば、本棚も判るでしょう。勿論思いがけない趣味や、教養を持っているかも知れません。
と言うことはつまり、あなたの本棚は、あなた自身と言う事が出来るかも知れません。あなたの脳に刻み込まれた本棚は、あなたの態度や言葉、品格となって自然に現れます。
今の時代は、コンビニエンスストアなどの便利なお店や、自動販売機が立ち並び簡単に安い値段で食べ物や、飲み物を手に入れる事ができます。
そのような時代に逆行するように、スローフードや、スローライフが根付き始めています。知識も同じように、簡便ですぐに役立つ情報ではなく、難解で思索と観察をし続けなければ、取り出すことのできない情報、古典にじっくり取り組んでみては、いかがでしょうか。顔つきは、間違いなく変わるでしょう。一日30分の時間を捻出してみてください。やり続ければ、きっとあなた自身が、自分に満足できるようになるでしょう。そうなればおのずから廻りもそれを知る事になるでしょう。
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