「古いと言われて馬鹿にされた出光興産の「大家族主義」が、今最も新しい!ビジネスの中心は人間だという事実を忘れるな!」

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社員は全員が一つの家族なのだ!と考える。

百田尚樹著の『海賊とよばれた男』によると出光興産創業者の出光佐三氏は「大家族主義」を、「会社経営は大家族と同じである」との信念に基づく経営を行っている。出勤簿なし、タイムカードなし、クビなし、定年なし、という徹底ぶりを貫いた。

これは現代の経費節減、リストラや早期退職勧告当たり前とする経営とは、全く相反する方法だが。しかし出光は今も一流の大企業であり続ける。

このような一見デメリットしかないような、当時としても馬鹿げていると言われた経営方針の中で、社員の心の中では、なにが起きていたのだろうか?

iStock_19716821_MEDIUM労使紛争は起こらない。家族には組合など必要ないからだ

1970年代には、労使紛争が盛んで、ストライキも各地で行われたが、出光ではそのような事もなく、黙々と仕事を進めることができた。そもそも労働組合自体存在しない。家族にそんなものが、必要だろうか?

出光で働く社員たちは出光佐三氏を、店主さまと呼んで慕っていたし、社員の子供たちは「おじいちゃま」と呼んで、サンタクロースのように思っていた。大家族運動会や園遊会などで、「おじいちゃま」はいつも、まるで孫にプレゼントを持ってくるように、社員の子供たちにも、プレゼントを欠かさなかったからだ。

社員の妻が子供たちにこのように言うのを聞いたことがある。「私たちが、生活していけるのは、働いているお父さんのおかげだけれども、お父さんを働かせてくれている出光という会社の恩を忘れてはいけませんよ」と。

社員たちは会社の危機には、憤然と寝食を忘れて働いたが、支える家族も、どのような危機にも揺らぐことはなかった。会社が私たちを見捨てることはない!と知っていたからだ。

iStock_65315989_MEDIUM会社の経営者が守るのは、会社と社員だけでなく、その家族の笑顔を守るのだ!

JALグループの再生にあたって企業理念を決める時に、当時社長である大西賢氏は、稲盛名誉会長と相談し、このように結論付けました。

「全社員の物心両面の幸福」を最優先とする!と……

政府から補助して貰っての会社の立て直しをしている現状なのに、それでもあえて「この会社は社員のために存在する会社ですよ」と、宣言したわけですから勇気がいります。

しかし社員が本当にがんばって幸せになってくれれば、当然業績も上がるし、その結果は株主価値も上がると信じたのです。結果JALは見事に再生を果たしました。

iStock_37496456_MEDIUMスターバックスコーヒーでは、笑顔を大切にする!

この人間第一主義と呼べるような経営理念は、日本だけではなく、あの能力主義で非情ではないかと思われるアメリカの経営者の中にもあります。

有名なスターバックスの創業者であるハワード・シュルツ氏は「私たちの企業はコーヒーを提供しているのではない。”人間が” コーヒーというものを提供しているのだ。」といいます。

スターバックスは正社員であるないにかかわらず、週20時間以上働いている従業員に対して、大学の学費をすべてサポートするというプログラムをスタートさせました。日本と異なり18を過ぎれば自力で大学へ行くことになるアメリカでは50%以上の大学生が金銭的な理由で大学を中退しています。

スポーツ奨学金で大学に行ったが、ケガで奨学金を貰えなくなり退学するなど、よく聞く話です。スターバックス奨学金は、卒業してもスターバックスへの就職義務もありません。この奨学金はまさに向学心のある学生にとっての救世主と言えるでしょう!

iStock_80626627_MEDIUM決して仲良しチームにはならない!

では、日本のスターバックスはどうでしょうか?『就職四季報』(東洋経済新報社)によると、最近のスターバックスの離職率データは4.8%とかなり低い数字です。外食産業の離職率の高さを考えると、驚異的といってもよい数字です。

その秘密について、スターバックスコーヒージャパンに12年間勤め、店舗ヒューマンリソース部長、人事サービス部部長に着任した目黒勝道氏の近著『感動経験でお客様の心をギュッとつかむ!スターバックスの教え』(朝日新聞出版)でこのように明かしています。

それはやはり、同社創業者のハワード・シュルツ氏の「社員を歯車のように扱いたくない」「社員には誇りを持って働いてもらいたい」という理念が浸透しているからだというのです。社員を大切にすることで、社員たちも、会社に誇りを持てるようになっているようです。

しかし、スターバックスは、社員たちを仲良しチームのような、甘い環境には置きません。

全ての社員が責任を自覚し、お客様優先の仕事をしています。

iStock_11660595_MEDIUM桜は日本の心の象徴

このような会社の創業者と社員やその家族の関係をみると、御恩と奉公という古い関係を、思い起こす人もいるかもしれません。

御恩と奉公というのは、元々は武士の主従関係に使われた言葉ですが、双方ともに利益を与え合う互恵関係のことです。どちらかの一方的な関係ではありません。

新渡戸稲造がその著書「武士道」の中で、大和魂は武士道にある。としています。戦後の荒廃を乗り越えて、今東京は、世界で一番住みたい町のNO1となっています。そこには滅私奉公で、死に物狂いで働いた、ごく普通のサラリーマンたちがいます。エコノミックアニマルと蔑まれ、嘲られても、ただひたむきに働いてきたお父ちゃんたちです。

お父ちゃんたちは、家族や子供たちのために働いているように見えたかもしれませんが、それよりも会社の為に働いていました。自分の働く仕事が、世の中の役に立っていると誇りを持っていたからですし、会社が自分達家族を守ってくれると信じてもいたのです。

iStock_48330194_MEDIUM本能は仲間を求めている。愛がなければ生きられない。

日本大学教授である林成之氏によると、脳は生まれながらに本能を持っているといいます。その本能は、たったの3つしかありません。曰く「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」です。

その中の「仲間になりたい」という本能とは、噛み砕くと「世の中に貢献したい」ということだと言います。「他者の役に立ちたい」「世の中に貢献したい」というのが、脳に刷り込まれた本能だとしたら、他人はどうでもいいというエゴイズムが、人に幸福感をもたらせないのは、当たり前です。本能に逆らっているからです。

iStock_78226615_MEDIUM利他の精神が成功への鍵。他人に手を差し伸べよう!

ハーバード大学で「ポジティブ心理学」の講義を行っているタル・ベン・シャハー博士は、親切な行動以上の「利己的な行動」はない。と断じています。

他人と分かち合うことは、実は自分を幸福にする行為だというのです。そして常に自分の利益を考えて行動する人と、他人の手助けをする人と比べると、会社を創業したり、経営者である人には、他人の手助けをする人が多いといいます。

それは結局、グループが大きくなればなるほど、他人の協力やサポートが必要となり、人間関係が大切になってくるからです。手助けしてくれる暖かい手を拒む人は少ないでしょう。

iStock_67148513_MEDIUMしきしまのやまとの心を人とはば 朝日ににほふ山ざくらばな(本居宣長)

日本人の心の奥深くに根づいた武士道の心、大和魂は今なお健在です。それはこの処、度々起こった大震災で、図らずも証明されました。

世界中の人々を称賛させた、礼儀正しい日本人の姿に大和魂の本質をみた人は多かったのではないでしょうか。最も悲惨な光景の中で、人々は助け合い、譲りあいました。暴動がおきることはなく、辛抱強く誇りたかい民衆というものを、世界の為政者は、確かに見たのです。

人々が決してうつむくことなく、立ち上がる姿に大和魂を見出すことが出来るでしょう。その美しい魂は会社という、本来は経済活動を優先させる場所でも、当たり前に大切にされています。

iStock_27598913_MEDIUM父親は娘の為になら誇らしく戦える!

1人暮らしの年老いた女性の元に毎食の食事を届ける婦人は、その女性が勤めていた会社の若奥様でした。生涯独身で働き続け、身寄りのないその女性を、会社の近くに住まわせて面倒みているのです。

銀行マンとして誇りを持って仕事をしていたけれども、今は子会社に転籍した男性がいます。彼は今、銀行マンとして短期間だけれども、銀行に復帰しました。娘の結婚式を銀行マンとして送ってやりたいとの願いを、会社がくみ取ったのです。結婚式では、バンカーとして誇らしく娘を送り出す父の笑顔をみることが出来るでしょう。

iStock_28679390_MEDIUM誇りを持って仕事をすれば、幸福になれる

イギリスのジャーナリストであるヘンリー・ノーマン氏は、武士道をして「人類がかって考え出した事の中で、最も厳しく、高尚で、かつ厳密な名誉の掟が、国民の間に支配的な影響力を持つ」と看破しています。

御恩と奉公は21世紀には、もう古いというのは、本当の事でしょうか?もしも会社が従業員の人間性を認め、社員の能力を育み大切にするならば、新しい御恩と奉公の形が出来るかもしれません。

なぜなら人間は常に他者の役に立ちたいと願がっているからです。会社が社員に正しい方向性と社会的役割を指し示せば、社員は喜々として働くでしょう。誇りをもって世の中の役に立つ仕事をしていると言えるのですから。

社長の仕事は、会社の崇高な理念を、繰り返し繰り返し、社員に伝えていくことのようです。自分の仕事に誇りを持てる事が、究極の通貨となるからです。



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出典「武士道」新渡戸稲造、「ハーバードの人生を変える授業」タル・ベン・シャハー、「脳に悪い7つの習慣」林成之、「日本人の品格」岬龍一郎、「感動経験でお客様の心をギュッとつかむ!スターバックスの教え」目黒勝道、「心は変えられる」原英次郎、『海賊とよばれた男』百田尚樹著

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